自治会の法人化(認可地縁団体)について

認可地縁団体について

 自治会・町内会等は、「地縁による団体」と呼ばれ(地方自治法第260条の2)、市長の認可を受けて法人格を取得した団体を「認可地縁団体」といい、団体名義で不動産登記等を行うことができます。
 これまで、自治会、町内会等には法人格が認められていなかったため団体名義での不動産の登記ができず、自治会、町内会等で所有する集会所等の不動産登記は、当該団体の代表者等の個人名でされていたため、当該名義人の死亡や転居等により名義の変更や相続などの問題が起きていました。
 このような問題に対処するため、平成3年4月に地方自治法の一部が改正され、一定の手続きにより自治会、町内会等が法人格を取得し団体名での不動産等の登記ができるようになりました。

その後、不動産等の保有要件が見直され、令和3年11月に地方自治法が改正されることに伴い、町内会・自治会が不動産等を保有していない又は保有する予定がない場合であっても、地域的な共同活動を円滑に行うために必要であれば、認可を得て法人格を得られるようになりました。

地縁による団体が法人格を得るには

  • 地縁による団体が法人格を得るためには、市長の認可が必要です。
  • 地縁による団体は、市長の認可により法人格を得ることとなり、第三者に対しても対抗できることとなります。
  • この認可の目的は、地域的な共同活動を円滑に行うことが認可の前提条件です。

申請できる地縁による団体

 町または字の区域、その他市内の一定区域に住所がある者の地縁に基づいて形成された団体です。認可の対象はこのような地縁による団体に限られ、例えばスポーツ同好会のように特定の活動を行う団体や、年齢や性別等特定の条件を必要とするような団体(老人会や婦人会など)は認可できません。

認可の要件

認可を受けるためには、以下の「4つの要件」をすべて満たしていることが必要です。

1.「その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行っていると認められること」

地域的な共同活動とは、清掃・美化活動、防犯・防災活動、集会所の管理運営や親睦行事など、一般的な自治会・町内会活動のことです。現に活動を行っていると認めるには、過去2年以上の活動実績が必要です。

2.「その区域が、住民にとって客観的に明らかなものとして定められていること」

区域とは地縁による団体の構成員のみならず、その他の住民にとっても容易に自治会・町内会等の区域・範囲がわかる状態であることを要するもので、住居表示もしくは住居表示のなされていない区域は地番等で、河川・道路等で区域が画されている場合なども該当します。また、他の自治会・町内会等の区域と重なる場合は、調整して重ならないようにする必要があります。

3.「その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となっていること」

その区域に住む人すべてが加入できる、という意味です。世帯を単位とすることは認められず、また区域に住所があること以外に、年齢・性別・国籍等の条件をつけてはいけません。相当数とはその区域の全住民(自治会・町内会等に加入していない人を含む)の過半数です。

4.「規約を定めていること」

次の8項目を全て含んだ規約を定める必要があります。なお、実質的に必要な項目が定められていれば規約の名称に制限はなく、「〇〇会則」「〇〇会規定」といった名称でも構いません。(規約のひな形(参考例)を提供できますので、事前にご相談ください。)

  • (項目1) 目的
  • (項目2) 名称
  • (項目3) 区域
  • (項目4) 主たる事務所の所在地
  • (項目5) 構成員の資格に関する事項
  • (項目6) 代表者に関する事項
  • (項目7) 会議に関する事項
  • (項目8) 資産に関する事項

事前に確認しておくこと(不動産がある場合)

  1. 認可を受ける地縁団体が、地縁団体名義で登記をしようとしている土地や集会所施設等について、法務局でその所有者を確認し、所有権移転の手続きについても確認してください。
  2. 現在の所有者から自治会への所有権移転について、承諾を得てください。
  3. 登録免許税については法務局に、法人税等の税金に関する申告や届出については税務課にご確認ください。
  4. 司法書士等に手続きを依頼される場合は、その費用についてご確認ください。

認可申請の準備、手続きの流れについて

  1. 地縁団体が法人格を取得するために認可申請することについて、自治会の中でよく話し合ってください。
  2. 認可を受けるためには、全会員を対象とした総会で決議することが必要です。またそれ以外にも、認可を受けるのに必要な事項(認可要件に合致する規約の決定または改定、構成員の確定、申請代表者の決定、不動産の確定など)の総会決議が必要となります。
  3. 認可申請書類一式が整えば、市役所地域政策課へ提出してください。
  4. 認可要件を満たしているかどうか書類審査を行います。書類・内容などに不備がある場合、または認可要件に合致しない場合は受理できません。
  5. 審査の上、認可要件を満たしていると確認できたときは、市長が認可及び告示して認可手続きは完了です。なお、審査には2週間から1ヶ月程度かかることがあります。

手続きの流れ

  1. 自治会内部で法人化について話し合い(メリット・デメリットの確認など)
  2. 市役所に事前相談
  3. 認可の要件を充たした「規約案」などの書類準備
  4. 自治会の総会を開催し、申請の意思決定、認可に必要な事項の議決
  5. 認可申請書類類の作成・準備
  6. 認可申請書類の提出
  7. 市役所による認可要件の審査(修正を依頼する場合があります)
  8. 市長による認可及び告示

認可申請に必要な書類

 実際の申請にあたっては、以下の書類を提出することになります。様式が指定されているものもありますので、詳細については、事前に市役所地域政策課へご相談ください。

〇このページの下部ダウンロードに、申請書類のひな形があります。

  1. 認可申請書(認可要件を満たす内容のもの)
  2. 地縁団体の規約(前述の8項目を全て含んだ規約)
  3. 総会で議決したことを証する書類((総会議事録の写し)
  4. 構成員の名簿(氏名・住所を記載したもの。署名・捺印は不要です。世帯では無く、個人単位の名簿です)
  5. 地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を現に行っていることを記載した書類(自治会・町内会等の活動実績を示す書類。昨年度の事業報告書、決算書及び当年度の事業計画書、予算書)
  6. 申請者が代表者であることを証する書類(選任証明書。署名・押印のあるもの)
  7. 申請者が代表になることを受諾した旨の承諾書の写し(就任承諾書。申請者本人の署名・押印のあるもの)
  8. 認可を受けようとする地縁による団体の区域図(地番の境界で明確に区分する必要がある場合は、地番の一覧表も作成ください)

認可告示後の手続きなど

(1)法人登記について

  地縁団体としての法人登記は、市長が行う告示をもってこれにかえることになるため、法務局への法人登記は必要ありません。

(2)不動産登記について

  認可後は、地縁団体の名義で不動産登記ができますので、法務局で手続きをしてください。不動産登記手続きの詳細は、法務局や司法書士にお問い合わせください。
登記手続きには、申請書、原因・証拠の書類、市長の発行する「告示事項に関する証明書」が必要となります。また、地縁団体が所有する不動産を処分し、所有権移転登記を行う際などには「認可地縁団体印鑑登録証明書」が必要となります。

不動産登記の特例制度について(令和3年11月改正)

1.特例制度の背景

 地方自治法の一部が改正され、過去に自治会員等の名義で登記した不動産で、その後役員等が亡くなり相続人の所在が不明の場合など、所有権移転登記が出来ない不動産について、下記の要件を満たせば認可地縁団体名義で移転登記できるようになりました。
 

2.改正の概要

 登記名義変更は登記権利者と登記義務者の双方が共同して行うこととなっていますが、地縁団体の所有する不動産の名義変更に限って、登記名義人やその相続人の所在が知れない場合は、市町村長にそれらの者の承諾書に代わる書面を申請することができ、その承諾に代わる書面を登記申請書に添付することにより認可地縁団体単独で所有権保存登記や移転登記をすることができる特例が設けられました。
 

3.登記の特例の対象となる要件
  • 認可地縁団体が、不動産を所有していること。
  • 認可地縁団体が、当該不動産を10年以上所有の意思をもって平穏かつ公然 と占有していること。
  • 当該不動産の表題部所有者又は所有者の登記名義人の全てが認可地縁団体の構成員又はかつて構成員であった者であること。
  • 登記関係者(相続人を含む)の全員又は一部の所在が知れないこと(一人でも所在が知れないと該当)。
4.手続き
  • 認可地縁団体は、市長に対して上記4要件を証する資料を添えて公告を求める申請を行います。その他、聴聞等の手続きは予定されていません。
  • 令和3年11月の地方自治法の改正に伴い、認可申請時に提出した保有資産目録又は保有予定資産目録の提出の必要がなくなりました。
  • 市長は、申請が相当と認めるときは、総務省令の定めによる3カ月以上の公告を行います。その他、聴聞等の手続きは予定されていません。
  • 公告期間中に異議を述べる者がいなければ、登記関係者の承諾があったものとみなされ、市長の通知文書によって所有権移転登記や移転登記手続きを進めることができます。 

認可地縁団体の印鑑登録について

印鑑登録

 五條市認可地縁団体印鑑条例の規定に基づき、不動産登記等に必要な認可地縁団体の代表者の印鑑を登録申請します。詳しくは、事前に市役所地域政策課へご相談ください。

印鑑登録に必要なもの

  • 認可地縁団体印鑑登録申請書
  • 代表者の実印(五條市に印鑑登録している印)
  • 代表者の印鑑登録証明書:1通(市民課窓口で取得ください)
  • 登録する団体印(印影が不鮮明なもの、大きさが8ミリメートル角未満、30ミリメートル角以上のものは不可。ゴム印など変形しやすいものも不可)

印鑑登録の廃止

 登録している認可地縁団体印鑑の登録を廃止する場合、認可地縁団体の代表者は、登録を廃止する認可地縁団体の印鑑を持参し、自ら書面により市長に申請をしてください。

印鑑登録の廃止に必要なもの

  • 認可地縁団体印鑑登録廃止申請書
  • 廃止する認可地縁団体の印鑑
  • 廃止する理由を書いた書類
  • 代表者の実印(五條市に印鑑登録している印)
  • 代表者の印鑑登録証明書:1通(市民課窓口で取得ください)

印鑑登録の抹消

以下の場合、認可地縁団体印鑑の登録が抹消されます。

  • 認可地縁団体印鑑の登録を受けている者の登録資格に変更が生じた場合
  • 認可地縁団体が解散した場合
  • 認可地縁団体の名称又は代表者の氏名の変更により登録印鑑として適当でないと認められる場合
  • その他認可地縁団体印鑑の登録を抹消すべき事由が生じた場合

証明書の発行について

告示事項に関する証明書

告示事項に関する証明書(地縁団体台帳の写し)は、市役所地域政策課で請求することができます。

告示事項証明書交付申請に必要なもの

  • 告示事項に関する証明交付申請書(使用目的や提出先も記入) 〇下部ダウンロードに掲載
  • 申請者の印鑑(認印で可能)
  • 交付手数料1通につき300円
  • 代理人申請の場合、代理人の印鑑及び代表者の委任状

認可地縁団体印鑑登録証明書

認可地縁団体として登録している印鑑を証明する書類です。印鑑登録証明書の交付を受けようとする場合は、原則として認可地縁団体の代表者が書面により市長に申請をしてください。

印鑑登録証明書の交付に必要なもの

  • 認可地縁団体印鑑登録証明書交付申請書 〇下部ダウンロードに掲載
  • 登録している認可地縁団体印
  • 代表者の実印(五條市に印鑑登録している印)
  • 交付手数料1通につき300円
  • 代理人申請の場合、代理人の印鑑及び代表者の委任状

認可地縁団体の各種税金について

認可地縁団体には、法人市民税や固定資産税、法人県民税や法人事業税や不動産取得税、法人税、登録免許税などの税金が課税されますので、減免申請の手続きを行う必要があります。詳細については、それぞれの関係機関にお問い合わせください。

各税のお問い合わせ先

  • 法人市民税、固定資産税…五條市役所 税務課(0747-22-4001代)
  • 法人県民税、法人事業税、不動産取得税…奈良県税事務所 法人税係(0742-20-4535)
  • 法人税…葛城税務署(0745-22-2721代)
  • 登録免許税…奈良地方法務局五條支局(0747-22-2484)

告示された事項に変更があった場合の手続きについて

認可を受けた後、規約や告示された事項を変更した場合は、「規約変更認可申請」や「告示事項変更届出」の手続きが必要です。(市長の変更認可・告示がないと、変更された事項は変更したことにならず、効力がないため第三者に対して対抗できません。)

1.規約に変更があった場合

認可地縁団体の代表者は、以下の書類を市役所地域政策課へ提出ください。

〇規約を変更しようとされる場合は、事前に市役所地域政策課へご相談ください。

  1. 規約変更認可申請書
  2.  規約変更の内容及び理由を記載した書類
  3.  規約変更を総会で議決したことを証する書類(総会の議事録の写し等で、議長及び議事録署名人の署名・押印があるもの)

2.告示事項に変更があった場合

告示された事項とは以下の9項目です。

  1. 団体の名称
  2. 規約に定める目的
  3. 区域
  4. 主たる事務所
  5. 代表者の氏名及び住所
  6. 裁判所による代表者の職務執行の停止の有無並びに職務代行者の選任の有無
  7. 代理人の有無
  8. 解散事由
  9. 認可年月日

上記の事項に変更があった場合、認可地縁団体の代表者は、以下の書類を市役所地域政策課へ提出ください。

  1. 告示事項変更届出書
  2. 告示された事項に変更があった旨を証する書類(総会議事録の写しなど)
    (変更があった旨を証する書類は変更内容によって異なるので、詳しくは市役所地域政策課へご相談ください)。

 変更のあった事項が、認可要件を満たしているかどうか書類審査を行います。書類・内容などに不備がある場合、または認可要件に合致しない場合は受理できません。審査の上、認可要件を満たしていると確認できたときは、市長が認可及び告示して告示事項変更手続きは完了です。なお、審査には1週間から3週間程度かかります。

〇団体の名称、代表者の氏名に変更があった場合、認可地縁団体の印鑑登録が無効になりますので、新たに印鑑登録を行うかを検討ください。

認可後の地縁団体の義務、団体の性格について

1.認可地縁団体の義務

  • 財産目録の作成と備置義務
    保有財産がある場合は、財産目録を毎年作成し、常に事務所に備え置いてください。
  • 構成員名簿の作成と備置義務
    構成員名簿を作成し、常に事務所に備え置くとともに、構成員の変更あるごとに訂正してください。(市への報告や提出は不要) 
  • 総会開催の義務
    代表者は、少なくとも毎年1回、構成員の通常総会を開いてください。
  • その他
    代表者及びその他代理人が職務を行うにあたり、他人に加えた損害を賠償する責任があります。

2.認可地縁団体の性格

  • 法律上の権利義務の主体となることができ、法人格を有します。
  • 法人税や消費税、その他税に関する法令の規定は、従前どおり適用されます。法人税法などにおいては公益法人等とみなされ、原則として収益事業のみ課税対象となります。詳しくは税務署等にお問い合わせください。
  • 認可により権利能力を取得した後も、住民により任意的に組織された団体であることに変わりありません。法律上でも公法人ではなく、公共団体その他行政組織の一部ではありません。また、認可地縁団体が行う活動について、市長は一般的監督権限を持ちません。
  • 正当な理由がない限り、その区域に住所を有する個人の加入を拒んではいけません。
  • 民主的な運営の下に自主的に活動するものとし、構成員に対し不当な差別的取扱いをしてはいけません。地縁団体の運営のあり方は、認可の前後によって変わるものではありません。
  • 地方自治法では、認可による地縁団体を特定政党のために利用することは禁止されていますが、構成員個々人が特定政党や政治家を支援することまでも制限するものではありません。

3.認可の喪失

  1. 認可の取消
    認可を受けた地縁による団体が以下の1つに該当するとき、市長は認可を取り消すことがあります。
  • 4つの認可要件のうち、そのいずれかを欠くことになったとき
  • 不正な手段により認可を受けたとき

認可地縁団体の解散

認可を受けた地縁による団体が以下の1つに該当するとき、認可地縁団体は解散します。解散は、市長に対して届出(市長による解散告示)、及び清算に伴う債権申出の公告(官報による公告)手続きが必要です。

  1. 規約に定めた解散事由が発生したとき
  2. 破産したとき
  3. 認可を取り消されたとき
  4. 総構成員の4分の3以上承諾のある総会の決議があったとき(規約に別段の定めがある場合を除く)
  5. 構成員が欠亡したとき(相当数未満となったとき)  

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この記事に関するお問い合わせ先

総務部 地域政策課
電話:0747-22-4001 
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更新日:2021年11月30日