幻の五新鉄道

 明治末期、五條市から十津川をつたい新宮市までを結ぶ「五新鉄道」の建設熱が高まりました。昭和14年(1939)から着工され、吉野川横断の橋脚、生子トンネルの貫通まで至りましたが、太平洋戦争が始まり資材不足等の理由で、工事は中断されました。戦後、工事が再開され、昭和34年(1959)に五條-城戸間の路盤工事が完成し、軌道敷設等の工事を残すのみとなりましたが、経済社会情勢等の変化によって、五新鉄道の夢は叶うことなく中断されました。

五新線跡のパノラマの写真

 現在、跡地の一部は路線バス専用道や、宇宙のなぞを解明する研究所「大阪大学コスモ観測所」として利用されています。また、平成9年(1997)にカンヌ映画祭カメラドール賞(新人監督賞)を受賞した河瀬直美監督の映画「萌の朱雀」は、五新鉄道と西吉野村の雄大な自然等を物語りの素材にしています。 2008年3月から上映された映画『花影』のロケ地にもなりました。

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更新日:2019年11月19日