五條市の文化財探訪(五條地区)

向山丘陵の谷間に築かれた、一辺25メートルの方墳。竪穴式石室の内外から、蒙古鉢形冑（もうこばちがたかぶと）をはじめ、鉄製の武器・武具・鍛冶具、金銅製帯金具などが多数出土しました。5世紀中頃の有力者の墓とみられます。市史跡。

【ゴーちゃんタクシー近内停留所より徒歩約12分】

吉野川南岸の山中に築かれた、全長30メートルの帆立貝式前方後円墳。横穴式石室には、玉類、馬具、挂甲（けいこう）、土器などが多数納められていました。6世紀前半の有力者の墓とみられます。県史跡。石室は見学可。

【ゴーちゃんタクシー南阿田停留所より徒歩約10分】

吉野川を見下ろす斜面に築かれた、直径10メートルの円墳。横穴式石室内から、須恵質陶棺（すえしつとうかん）の破片、須恵器などが出土しました。平成10年の台風で損壊しましたが、調査後に整備され、石室が見学できます。市史跡。

【ゴーちゃんタクシー黒駒停留所から降りてすぐ】

7世紀後半、関屋川に面した丘陵斜面に10基以上の半地下式の窯が築かれ、大量の瓦と須恵器が作られました。瓦は飛鳥の川原寺の屋根を飾りました。残り具合のよい1号窯（県史跡）は現地で保存され、見学できます。

【ゴーちゃんタクシー西久留野停留所から降りてすぐ】

吉野川の支流、宇智川の左岸（東岸）の岩壁に、大般涅槃経（だいはつねはんぎょう）の経文と仏像が彫られています。宝亀7（776）または9（778）年銘があり、奈良時代後期の金石文（きんせきぶん）として貴重なものです。国史跡。

【榮山寺口停留所（奈良交通、ゴーちゃんバス）より徒歩約3分】

藤原武智麻呂は奈良時代前期の貴族で、藤原南家（なんけ）の祖です。彼は没後、平城京北方の佐保山で火葬されましたが、子の仲麻呂が榮山寺裏山の当地に改葬したものと思われます。『延喜式』の「後阿陀墓」に当たる。国史跡。

【榮山寺口停留所（奈良交通、ゴーちゃんバス）より徒歩約45分】

万葉歌に「大荒木の浮田杜」と詠まれた名勝地で、荒木神社（延喜式内社）の社叢。シイ、アラカシ、クロバイ、ヤマモモ、ヒノキなどの巨樹を主とします。平成10年の台風で被害を受けましたが、少しずつ回復に向かっています。県史跡。

【今井停留所（奈良交通）より徒歩約7分】

この墓誌は本来、奈良時代前期の役人だった山代忌寸真作と、その妻の蚊屋忌寸秋庭を合葬した墓に納められたものです。重要文化財に指定され、奈良国立博物館が所蔵。正確な出土地は不明で、町内に顕彰碑が建てられています。

【ゴーちゃんタクシー東阿田停留所より徒歩約3分】

新町通り近くの国道168号線西側にあります。棟札から、江戸時代初期の慶長12（1607）年築と判明しました。建築年代の判る民家では日本最古といわれます。重厚な外観と、広い土間の太い牛梁が印象的です。重要文化財。非公開。

【戎神社前停留所（奈良交通）から降りてすぐ】

江戸時代に野原村の代官を務めた家の屋敷を囲みます。市道に面して伸びた長屋門の内側に、主屋と書院が建ちます。江戸前期の様式です。県指定文化財。非公開。

【大川橋南詰停留所（奈良交通）より徒歩約7分】

国道24号線の南側にあります。主屋と土蔵は安政2（1855）年の建築で、表門も同時期と思われます。木造平屋建の主屋は煙出をもつ豪壮な外観で、木造二階建の土蔵とともに白壁が目を引きます。五條市初の登録有形文化財。

【今井町停留所（奈良交通、ゴーちゃんバス）より徒歩約3分】

民家の庭にあります。目通りの幹囲は8.5メートル。昭和34年の伊勢湾台風で主幹が折れましたが、高さは約15メートルあり、市道にかけて大きく枝葉を繁らせています。国指定天然記念物。

【JR大和二見駅より徒歩約6分】