○五條市議会基本条例

令和6年3月27日

条例第20号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第3条・第4条)

第3章 市民と議会の関係(第5条)

第4章 議会と市長等との関係(第6条~第12条)

第5章 議員間の自由討議(第13条・第14条)

第6章 政務活動費(第15条)

第7章 議員の政治倫理、定数及び報酬(第16条・第17条)

第8章 議会運営及び体制整備(第18条~第23条)

第9章 条例の位置付けと見直し手続(第24条~第26条)

附則

議会は、二元代表制の理念に基づき、市長と共に五條市の代表機関を構成し、重要な意思決定に関する事件を議決し、検査、調査その他の権限を行使する。

また、議会は市民が選挙した議員をもって組織する多人数による合議制の議事機関として、市長は独任制の機関として、それぞれの異なる特性を生かし、市民の意思を市政に的確に反映させながら、五條市としての最良の意思決定を導く共通の使命が課せられている。

このため、議会は、市長とその他の執行機関(以下「市長等」という。)とは緊張ある関係を保ちつつ、議会の役割と責務に基づき意思決定を行う。また、市長等の監視及び評価を行うとともに、市民に対して公平性、透明性及び信頼性を確保し、議員間討議を活発に行い、その機能を最大限に発揮できるよう、積極的な政策立案及び政策提言ができる議会を目指すものである。

ここに、議会は、地方自治法の範囲内において議会及び議員の活動原則その他議会の基本的な事項を定めるとともに、市長等及び市民との関係を明らかにし、議会の権限の適切な行使に資するため、市民の信託に全力で応え、誠実にその職務に邁進することを決意し、議会の最高規範として、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、五條市議会(以下「議会」という。)及び議会の議員(以下「議員」という。)の活動原則等を定め、合議制の機関である議会の役割を明らかにするとともに、議会に関する基本事項を定めることにより、市民の信託に的確に応え、もって市民福祉の向上及び市勢の発展に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 議会は、二元代表制の下、市民の代表としての自覚と誇りを持ち、その負託と信頼に応え、公平かつ適正な議論を尽くすとともに、議決責任を強く認識し、真の地方自治の実現を目指すものとする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第3条 議会は、市民の代表機関として、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 公平性、透明性及び信頼性を確保し、市民に開かれた議会を目指すこと。

(2) 市民に対する説明責任を果たすこと。

(3) 市政に関する課題に的確かつ迅速に対応するため、市長等の事務が適正に行われているかを監視し、評価すること。

(4) 市民の多様な意見を基に、市政に関する政策立案及び政策提言に積極的に取り組むこと。

(5) 議員間の自由闊達な討議により、市政の課題に関する論点及び争点を明らかにするよう努めること。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、議会を構成する一員として、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 市民の代表としての責任を自覚し、市民福祉の向上及び公平かつ公正な市政の発展を図るため、自由闊達な討議を尊重して議会の合意形成に努めること。

(2) 市民の多様な意見を的確に把握するとともに、日常の調査及び研修活動を通じて、自らの資質の向上に努めること。

(3) 市民の負託に対する責任を果たし、市民の信頼を損なわないよう日々心掛け、議会活動を最優先するよう努めること。

第3章 市民と議会の関係

(市民参加及び市民との連携)

第5条 議会は、本会議のほか、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第109条に規定する委員会(以下「委員会」という。)を原則公開するものとする。

2 委員会は、参考人制度及び公聴会制度を積極的に活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

3 議会は、市民との意見交換の場を多様に設けることに努め、議員の政策立案能力の強化に努めるとともに、政策提案の拡大を図るものとする。

4 議会は、請願、陳情等を市民による政策提案と位置付けるとともに、その審議においては、これら提案者の意見を聴く機会を積極的に設けるよう努めるものとする。

第4章 議会と市長等との関係

(市長等との関係)

第6条 議会は、二元代表制の下、市長等と常に緊張ある関係を保持し、事務の執行の監視と評価を行うとともに、政策立案及び政策提言を通じて、公平かつ公正な市政の発展に取り組むものとする。

(政策等の説明要求)

第7条 議会は、市長が提案する重要な政策、計画、事業等(以下「政策等」という。)について、その形成過程の透明性を図り、議会における論点を明確にするため、次に掲げる事項について、明らかにするように求めることができる。

(1) 政策等の提案に至った背景、目的及び効果

(2) 他の地方公共団体の類似する政策等との比較検討

(3) 総合計画等との整合性

(4) 関係する法令、条例、規則等

(5) 政策等の実施に係る財源措置及び費用

(6) 前各号に掲げるもののほか、議会が必要とする事項

(予算及び決算における政策説明)

第8条 議会は、予算及び決算の審査に当たっては、市長等に対し、前条各号に規定する事項を施策別又は事業別に整理した分かりやすい説明及び資料の提出を求めることができる。

(資料請求)

第9条 議会は、市政の調査及び研究並びに本会議及び委員会(以下「会議等」という。)における討議に資するため、必要に応じて市長等に対し、その執行する事務に関する資料の提出を求めることができる。

2 前条又は前項に規定する資料の要求(以下「資料の要求等」という。)を本会議において行うときは、議会の議決によるものとする。

3 委員会において、資料の要求等をする場合は、委員会の決定により、議長を経由して行うものとする。

(質問等)

第10条 議員は、会議等において質問又は質疑(以下「質問等」という。)を行うに当たっては、当該質問等の趣旨を明確にして行うものとする。

2 会議等における質問等は、原則一問一答方式で行うものとする。

3 市長等は、会議等における質問等に対して、議長又は委員長の許可を得て、答弁に必要な範囲内で当該質問等の趣旨を明確にするための発言ができるものとする。

(監視及び評価)

第11条 議会は、市長等の事務の執行が適正かつ公平に、及び効率的に行われているか監視し、及び評価するとともに、必要があると認めるときは、適切な措置を講ずるよう促すものとする。

2 議会は、議決機能強化のため、法第96条第2項の規定により積極的に議決事件の範囲の拡大に努めるものとする。

(議会意見の尊重)

第12条 議会は、市長等に対し、議会において集約した意見を最大限尊重して、予算の調整及び執行並びに政策等の形成を行うよう求めるものとする。

第5章 議員間の自由討議

(議員間の自由討議)

第13条 議員は、市政に関する重要な政策等及び課題に対して、議会としての共通認識の醸成を図り、及び合意形成を得るため、積極的に議員相互間の自由討議(以下「議員間討議」という。)に努めるものとする。

(政策提言等)

第14条 議会は、議員間討議を尽くし、意見集約がなされた内容について、政策提言及び条例制定の提案に努めるものとする。

第6章 政務活動費

(政務活動費)

第15条 政務活動費(法第100条第14項に規定する政務活動費をいう。以下同じ。)については、五條市議会議員に対する政務活動費の交付に関する条例(平成13年3月五條市条例第1号)に定めるところによる。

2 政務活動費の交付を受けた議員は、使途の透明性を確保した上で、政務活動費を有効に活用して調査研究を行い、議会活動の充実及び強化に努めなければならない。

第7章 議員の政治倫理、定数及び報酬

(議員の政治倫理)

第16条 議員は、市民全体の代表として、市政に携わる権限及び責務を深く自覚し、高い倫理観を保持し、その使命の達成に努めなければならない。

2 議員の政治倫理に関することは、別に定める。

(議員の定数及び報酬)

第17条 法第109条第6項又は法第112条第1項の規定に基づき、委員会又は議員が五條市議会議員の定数を定める条例(平成13年3月五條市条例第19号)に定める議員の定数又は五條市議会議員の議員報酬等に関する条例(昭和34年4月五條市条例第17号)に定める議員報酬の改正に係る議案を議会に提出しようとするときは、明確な改正理由を付して行わなければならない。この場合において、当該議案の作成に当たっては、類似団体(人口及び産業構造が類似する他の地方公共団体をいう。)の議員の定数、面積、財政規模等との比較を考慮するとともに、市政の現状、課題、将来の予測、展望その他の行財政改革の視点も十分考慮して行うものとする。

第8章 議会運営及び体制整備

(委員会)

第18条 議会は、それぞれの委員会を目的に応じ、事案の専門性及び特性を考慮の上、適切に設置するとともに、その機能が十分発揮されるよう運営するものとする。

2 委員会は、市政の課題に適切かつ迅速に対応するため、議会の閉会中であっても、その所管に係る事務調査等(法第109条に規定する調査及び審査並びにこれらに関する研究をいう。以下同じ。)を積極的に行うとともに、政策立案及び政策提言を行うよう努めるものとする。

3 委員会は、事務調査等を行うに当たり、市民に分かりやすい議論を行うよう努めるものとする。

(議員研修の充実強化)

第19条 議会は、議会の機能強化等のため、議員研修の充実強化に努めるものとする。

(議会事務局の体制整備)

第20条 議会は、議員の政策の形成及び立案に係る能力の向上を図るため、議会事務局の調査機能等の充実強化を図るよう努めるものとする。

2 議会事務局は、前項の目的を達成するため、議会に対し提案することができる。

3 議長は、議会事務局の体制整備の強化を目的として、大学その他の研究機関並びに専門的な知識及び経験を有する者の積極的な活用を図ることができる。

(議会図書室)

第21条 議会は、法第100条第19項の規定に基づき設置する議会図書室の充実に努めるものとする。

(議会広報の充実)

第22条 議会は、議案に対する各議員の対応を議会が発行する広報紙で公表する等、市民への情報の提供に努めるものとする。

2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。

(情報通信技術の活用)

第23条 議会は、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、情報通信技術の積極的な活用を図るものとする。

2 議会は、災害の発生、感染症のまん延その他のやむを得ない理由により議員が議場等に参集することが困難なときは、その状況に応じて、情報通信技術を活用し、議会活動の継続に努めるものとする。

第9章 条例の位置付けと見直し手続

(議会及び議員の責務)

第24条 議会及び議員は、この条例の理念及び原則を遵守して議会を運営し、もって市民を代表する合議制の機関として、市民の負託に対する責任を果たさなければならない。

(他の条例との関係)

第25条 この条例は、議会に関する基本的事項を定める条例であり、議会に関する他の条例等を制定し、又は改廃する場合においては、この条例との整合を図るものとする。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例に関する研修を行わなければならない。

(見直し手続)

第26条 議会は、一般選挙後及び必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを検証するものとする。

2 議会は、前項の検証の結果、議会に関する他の条例等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講じるものとする。

この条例は、令和6年4月1日から施行する。

五條市議会基本条例

令和6年3月27日 条例第20号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
令和6年3月27日 条例第20号